「聞いていて、耳障りが良い」
こういった表現を、
見かけることがあります。
ですが、
一見正しいように思えるこの表現、
実は、誤用なのです。
みなさんは、何が間違っているのか
分かりますか?
「耳障り」とは、
耳に障ると書くことからも分かる通り
聞いていて不快に感じることを言います。
ですから、不快なことを「良い」と
言うのは矛盾することになります。
よって、正しい使い方としては
「雑音の多い、耳障りな音楽だ」
のようになります。
ただ、
「耳障り(みみざわり)」ではなく、
「耳触り(みみざわり)」と書いた場合は、
また意味が変わります。
(読み方は同じで、漢字が違う)
「耳触り」とは、
聞いたときの感じ、印象。
という意味になります。
よって、この場合であれば
「耳触りの良い音楽だ」と表現できるのです。
このことから、何が言えるのかというと
「耳触り」が良いと伝えたかったのに
パソコンの変換間違いで
「耳障り」と書いてしまった結果、
間違った表現になってしまった。
という、意に反する
事態が起こってしまいます。
また、
漢字(耳障り、耳触り)ではなく
ひらがなで、書いてしまったばかりに
どちらの意味なのかが、
分からなくなってしまう。
といった状態に陥ることもあります。
例えば
「みみざわりな音楽だ」とだけ
書かれていた場合
気分を害しているのか
気分良く聞いているのか が
分からないのです。
このように
読みは同じで、漢字が違う言葉の場合は
その意味を理解して使う必要があります。
ちょっとしたことですが
みなさんも、気を付けてくださいね。