桜を人知れず守る「桜守(さくらもり)」

関西で桜の名所は?と聞かれて

京都を思い浮かべない人はいないでしょう。

 

神社仏閣をはじめ河川や公園、植物園といった

桜の名所も数多く点在しています。

 

みなさんは、これだけ多くの桜が

どのように手入されているのかを

ご存知でしょうか。

山桜

 

「桜切る馬鹿に、梅切らぬ馬鹿」と

言われるように

桜は、幹や枝を切ったり折ったりすると

菌によって腐りやすくなり、

梅は、余計な枝を切らないと翌年、

花がつかない、といった木の剪定の仕方を

解いた諺があります。

 

このように、とても繊細な桜は

植木屋さんや造園業を営む方々によって、

大切に管理されています。

 

その中でも、桜の手入れ、管理はもちろん

桜の保存や新種の発掘・鑑定を行っている

「桜守(さくらもり)」が

京都にいらっしゃいます。

 

京都・円山公園の

しだれ桜(別名:祇園の夜桜)と言えば

関西で知らない人はいないんじゃないか

というくらい有名な桜ですよね。

 

この桜は、

植藤(うえとう)造園の社長であり

3代目・桜守でもある

16代目・佐野藤右衛門さんが

管理されています。

 

円山公園のしだれ桜は、実は2代目!

樹齢は、80年を超えています。

 

初代の桜は、昭和22年に

樹齢200年余で枯死したため

15代目・佐野藤右衛門さんが

初代の桜から採取した種子を育て

初代と同じ場所に、現在の2代目を植樹しました。

 

その桜を、16代目(80歳代)が守っている

ということになります。

 

16代目・佐野藤右衛門さんは、

円山公園・蹴上インクラインといった

国内の桜はもとより、

「イサム・ノグチ」に協力し、

パリにあるユネスコ本部・日本庭園を

手がけるなど海外でも活躍し

1997年には、ユネスコ本部から「ピカソ・メダル」

1999年には、「勲五等双光旭日章」を受賞しています。

さくら 桜

 

桜は、連作を嫌う樹木!

桜は、連作(いや地)を嫌う樹木だと

言われています。

 

連作とは、同じ作物を同じ場所で

続けて作付けすることをいいます。

 

例えば、桜の場合

植えられていた桜が枯れてしまったので

同じ場所に、若い桜を植えて育てようとしても

うまく、育たない。

という現象がおきるのです。

これを、連作障害と呼びます。

 

日本中で、咲き誇るソメイヨシノの

桜の名所が消滅するかもしれない

という噂があるのも

この連作障害という、厄介な問題があるからです。

桜の名所の危機については、コチラをご覧ください)

 

でも、円山公園のしだれ桜は

初代と同じ場所で、2代目が育っていますよね。

 

これは、凄い!!ことだと私は思うのです。

 

桜の連作をしようと思うと、まず

土壌改良から、はじめなければなりません。

 

最初の桜が植えられていた土壌を

若い桜がちゃんと育つ土壌に作り直すのです。

 

それが、80年前に行われ

成功していることが凄いのです。

 

おそらく、桜守の方をはじめ

造園業に携わる方々は、訪れるかもしれない

その日に向け、連作障害の解決方法などを

模索しているのではないかと

勝手ながら推測しています。

桜並木

 

次世代の桜を育てる!

16代目・佐野藤右衛門さんは

円山公園の2代目・しだれ桜が

寿命を迎えたあとのことを考え、

すでに、3代目のしだれ桜を

植藤造園の桜畑で育てています。

 

その他、日本全国を飛び回り

桜の新種や貴重な桜を保存継承すべく

同じ桜畑で育て観察・管理をしています。

 

実は、この植藤造園の桜畑

桜のシーズンは、

入園無料で参観できるんですよ!\(^0^)/

 

私も数回、お花見をさせていただきました。

貴重な桜がたくさん見られましたし

とても、素晴らしかったです(๑˃ ᴗ˂ )و

(飲食はできません)

 

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