日本語の定型文のような存在、呼応表現

日本語には、「呼応(こおう)表現」といって

ある言葉を使うとき(呼びかけ)に

決まった言葉や表現で受ける(応える

定型文のような要素を持つ表現方法があります。

 

例えば

たぶん彼女は、売上げ目標を達成するだろう。

なぜなら、その行動力と計画の緻密さは

他と比べ、群を抜いているからだ。

でも、彼女に言わせれば

この計画は、達成することより実践することに

意義があるという。

どうやら目標達成は、気にしていないようだ。

いかにも、彼女らしい考え方だと関心した。

 

この例文の中には、5つの呼応表現が使われています。

どれだか、分かりますか?

打ち合わせ ミーティング

 

たぶん(おそらく、きっと、やがて)」という

推量を表す書き方(呼びかけ)には

〜だろう(〜かもしれない、〜はずだ)」という

定型文(応える)が当てはまります。

 

なぜなら(〜したのは)」という

理由を示す接続詞(呼びかけ)には

〜(だ)から」という定型文(応える)が

当てはまります。

 

同じように

「〜は、〜することだ」

「どうやら、〜ようだ(〜らしい)」

「いかにも、〜らしい(〜ようだ)」なども、

呼応表現になります。

 

正解は

たぶん彼女は、売上げ目標を達成するだろう

なぜなら、その行動力と計画の緻密さは

他と比べ、群を抜いているからだ

でも、彼女に言わせれば

この計画、達成することより実践すること

意義があるという。

どうやら目標達成は、気にしていないようだ

いかにも、彼女らしい考え方だと関心した。

 

その他にも、

「決して、〜ない」

「まったく、〜ない」

「さも、〜そうに」

「ぜひ、〜ください」

「どうしても、〜たい」

「はたして、〜のか」

「つい、〜してしまった」

「たった今、〜した」

などがあり、

一定の文末表現とペアになっています。

赤い車 おもちゃ

 

もし、

車の運転では、ルールがある。

つい手を出した。

いかにも、課長の考えることだ。

はたして、やり遂げる。

になっていたら

据わりが悪く違和感を感じる文章になってしまいます。

 

正しく直すと

車の運転には、ルールがある

つい手を出してしまった

いかにも、課長の考えそうなことだ。

はたして、やり遂げられるのか

となります。

 

 

みなさんの文章は、

呼びかけに応える表現になっていますか。

 

<あわせて読みたい関連記事>

つい、やってしまう「の」の間違った使い方 はコチラ

クッション言葉を活用しよう! はコチラ

「されてください」は、OK or NG? はコチラ

「モノ」に謙譲語、使ってませんか? はコチラ