「天の原、振りさけ見れば春日なる
三笠の山に出でし月かも」 阿倍 仲麻呂
『古今和歌集』で詠まれ、紀貫之が書いた
『土佐日記』にも引用されているこの歌、
みなさんご存じですよね。
<現代語訳>
天を仰いではるか遠くを眺めれば、
月が昇っている。
この月は、私のふるさと奈良・春日の
三笠山に昇っていた月と同じなんだなあ。
原文に出てくる「天の原」とは
広く大きな空を指す言葉なんですよ。
今回は、<風と雲の名前>に引き続き
四季を彩る日本の美しい言葉
<空と雪の名前>を、ほんの少し紹介します。
空を表す言葉、空の名前
一天(いってん)
空全体のこと。
花曇(はなぐもり)
桜の咲く四月頃の曇り空のこと。
夏天(かてん)
夏の空のこと。
星合の空(ほしあいのそら)
七夕の夜の空のこと。
空海(くうかい)
海のように、はてしない大空のこと。
小春空(こはるぞら)
冬の初め頃の穏やかに晴れた空のこと。
霜天(そうてん)
霜の降りそうな冬の明け方の空のこと。
雪を表す言葉、雪の名前
淡雪(あわゆき)
春先に降る消えやすい雪のこと。
太平雪(たびらゆき)
春先に降る淡くて大きな雪片の雪のこと。
かたびら雪ともいう。
彌彌雪(いややゆき)
屋根の上に重なる雪のこと。
弟待つ雪(おとまつゆき)
次に降るまで消えないで残っている
雪のこと。友待つ雪(ともまつゆき)ともいう。
銀花・銀華(ぎんか)
降る雪を例えていう言葉。
六つの花(むつのはな)
雪の別名。雪が樹枝状六花の結晶から
そう呼ばれる。六花(りっか)ともいう。
雪の果て(ゆきのはて)
暖かくなりはじめた頃、
降り納めのように降る雪のこと。
これからの季節、秋・冬には
季節の言葉を探しながら
ブログやメルマガを書くと
ちょっと情緒を感じる文章になりますよ。
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